ツィゴイネルワイゼンを映画館でみた。
趣味って何ですか??
と聞かれると困りませんか。
胸をはって趣味といえるものがありません。噺家はこり性の人が多いから多趣味の方が多いです、うらやましい。
読書!って言えるほどは読んでいませんし、どんどん読む時間が減っています。
好きな作家は誰ですか??
これも弱ります。
どれくらい読んでいれば名前をあげていいのでしょうか??
私は内田百閒が好きですが、もちろんすべて読んでいませんし、代表作のノラやも読んでいません。
これで内田百閒好きは名乗れない気がします。
好きなのは阿房列車とか東京日記、件などの短編、あと面倒くさい随筆。
今ふと思いましたが、私の落語を一席聞いただけでも「好きだ」と言ってもらえると嬉しいですね。
「うーん。遊京さんの全部の落語を聞くまで答えかねます。」
とか言われると、変わった人だな。って思いますし、この人の前ではちゃんとやらないと!とか変なプレッシャーを感じてしまいそうです。
それに「わかりました。その代わり必ず全部聞いてください。途中で聞くのをやめるのなしですからね。」と真顔で言ってしまいそうで怖いです。
今日はツィゴイネルワイゼンを見に行きました!!
内田百閒のサラサーテの盤という短編があるのですが、それが原作だというので前々から興味がありました。5,6年前にDVDを借りたんですけど見る時間がないまま返却して結局ちゃんと見ないまま今にいたります。
初めて見ることができるのが映画館でとは幸せなことです。
今まで見なくてよかった!
長いです。144分。
いやー、これは映画館でなければ続けてみることができなかったと思います。
家でこれを止めずに見続けることができる人はものすごい集中力ですよ。
サラサーテの盤は最初と終盤にでてきます。その間は本当に不思議。まるで夢。
鎌倉の切通しを行ったり来たりするのですが何が本物で、誰が生きていて誰が死んでいるのか分からなくなります。最後はみているこっちまで気が狂いそうになりました。
内田百閒って大変おもしろくて笑える文章の一方、まるで別人のような切れ味で「死」を語ります。
その感じが伝わりました。
実際シリアスなんですけど何か所か笑ってしまいました。どこかは忘れてしまいましたが。他の人も全然違うところで笑っている人いたなぁ。
あと原田芳雄の生命力がものすごかったです。
いつかまた映画館で見てみたいです。
さて、明日26日は鈴本演芸場夜の部!17時上がりです。遊京は一足お先に楽日です。
トリは扇辰師匠です。早い時間からのご来場お待ちしております!!